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スピード・ワールドカップ トリノ大会・女子500m 岡崎朋美


(C)photo kishimoto

スピード・ワールドカップ
トリノ大会・女子500m
岡崎朋美

SPORTS IMPACT
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vol.281-1(2005年 12月14日発行)
杉山 茂/スポーツプロデューサー

孤独の強さが描く影

〜2005年を振り返るA〜

岡崎 満義/ジャーナリスト
  〜日本サッカーにFWはいるか?〜
松原 明/東京中日スポーツ報道部
  〜「柏の転落は」〜
岡 邦行/ルポライター
  〜もうひとりの“ミスター・サブマリン”〜
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孤独の強さが描く影
〜2005年を振り返るA〜
杉山 茂/スポーツプロデューサー)

 「大相撲」人気のカーブが、下がる一方で今年も過ぎた。

 無敵の横綱が、ますます安定感を増し、風格を備えていく姿は、本来なら喝采(かっさい)を浴びてよいのだが、どうも“逆効果”だ。

 横綱にまったく責任はない。低迷の原因は総て、周囲の不甲斐なさにある。

 伯仲の展開を望めなくてはプロスポーツとして“失格”であろう。フアンの目は鋭く正しい。ハナから対抗する勢力がもろくては、スポーツの楽しさを味わえない。観客席が埋まらず、テレビ視聴率が低迷するのは当然だ。

 「大相撲」に限らず、最近のプロスポーツは醍醐味に欠ける。

 組織の未熟だの、マネージメントの欠落だのと言うが、何よりも、競技者たちの力がそのスポーツの最高の味を持ち合わせていないのである。

 女子プロゴルフの活況は、お目当ての選手が、激しい争いの末に期待に応えることで甦った。

 立ちふさがる壁もなく、すんなりとスターが勝ちつづけては、やがて、その繰り返しに誰も飽きてくる。

 プロスポーツは、フアンのそうした身勝手さも糧(かて)にしなければならない。

 大学スポーツを、同じレベルで語るのはどうかと思うが、「早明ラグビー」がすっかり精彩を欠いてしまったのは、両校の力の差があまりにも開いたからだ。

 プロスポーツとは異なり、「早明戦」はどのような状態であれ「早明戦」でありつづけられるハズなのだが、そのようには運ばなくなってしまった。

 大学スポーツは、次々と往時の熱気を手離し“学生のイベント”としての看板は、いまやほとんど掲げられていない。

 「早明戦」は、最後の砦(とりで)ともいえる存在だったが、このまま崩れ落ちてしまうのだろうか。

 スポーツ全般に関心が薄らぎはじめているような気にさせた1年だ。

 散発的な盛り上がりはのぞけるものの、冷めたトーンを塗り替えるまでには至らない。

 トリノ冬季オリンピック、ワールドベースボールクラシック、FIFAワールドカップ。

 来年上半期に予想される熱気を、日本のスポーツ界はどう活かすか、期待より気がかりな年の暮れ、である―。


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