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キリンチャレンジカップ2005 なでしこジャパン×ニュージーランド女子代表 川上直子
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キリンチャレンジカップ2005
なでしこジャパン(日本女子代表)
×ニュージーランド女子代表
川上直子

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(C)photo kishimoto
vol.252-1(2005年 5月25日発行)
滝口 隆司/毎日新聞運動部

トップリーグ連携で活路は見出せるか



杉山 茂/スポーツプロデューサー
 〜ラグビー、国際試合で新たなフアン獲得を〜

岡崎 満義/ジャーナリスト
 〜宮里藍選手を支えたイチローの言葉〜

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トップリーグ連携で活路は見出せるか
滝口 隆司/毎日新聞運動部)

 「日本トップリーグ連携機構」の設立記者会見が24日、東京・岸記念体育会館であった。団体球技の国内リーグが連携を図り、チームゲームの復活を目指すという組織だ。バレーボール(Vリーグ)、ハンドボール(日本リーグ)、バスケットボール(JBLとWJBL)、アイスホッケー(アジアリーグ)、ホッケー(日本リーグ)、ソフトボール(日本リーグ)、ラグビー(トップリーグ)、サッカー(Lリーグ)の8競技9リーグが加盟することになった。
 
 会長には森喜朗・前首相(日本体育協会会長)、副会長の1人には麻生太郎・総務相(バスケット女子日本リーグ機構=WJBL会長)が就任。記者会見場には衆院議員に復帰した山崎拓氏の姿もあった。山崎氏は日本ソフトボール協会の会長として評議員になったのだ。
 
 大物政治家が役員に名を連ねた背景に、政府からの補助金増額への期待があることは間違いないだろう。
 
 連携機構が設立される発端は、文部科学省の「ニッポン復活プロジェクト」の一環である「トップリーグ支援事業」の補助金をどう使うか、にあった。今回の加盟競技はすべて補助対象のリーグである。ただし、この機構が単なる補助金の「消化団体」になるのなら、余りにもったいない。
 
 今年度の事業計画をみると、@集客面での協調した告知活動A施設の共同利用B一体となった広報活動C研修会の開催――がリーグ活性化策として挙げられている。この中では、広報活動としてトップリーグの専門チャンネルを設立する話があって興味深いが、まだ発想段階。具体的な活動はすべてこれからなのだという。
 
 まずは国内リーグの方向性を示してほしいものだ。それぞれの問題点を洗い出し、新たな時代のリーグ像を描くことは、これだけのリーグが集まれば難しいことではない。
 
 たとえば、男子バスケットでは、なぜ新潟アルビレックスとさいたまブロンコスがJBLを脱退し、bjリーグを立ち上げることになったのか。それは、企業依存のリーグ経営の中で、クラブチームが独自に稼げるシステムがなかったからだ。
 
 今回、副会長の1人にトヨタ自動車の張富士夫社長が入った。トヨタグループで20以上のチームを所有しているという理由から「企業の代表者」としての就任だ。
 
 張社長は「従業員の豊かな生活のためにスポーツの機会は大切だ。社会貢献するためにも企業はスポーツを振興するべき」と話したが、企業スポーツが撤退し続けた後の“焼け野原”で復興を目指すには、新たな理念とシステムが必要となってくるだろう。クラブチームは独立運営していくための経営能力が絶えず問われる。そうしたチームを束ねるリーグの責任は重い。各競技の関係者が集まってこそ、苦境を乗り越えられる智恵が出てくるはずだ。


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