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vol.320-1(2006年 9月25日発行)
松原 明 /東京中日スポーツ報道部
「Jリーグの身の丈に合う経営は」

 Jリーグは9月19日の理事会で、30クラブの2005年経営情報を初めて公開した。
約半分の14クラブは選手人件費などの公開を伏せているが、約6年間を掛けて、この公開に漕ぎ着けた努力を評価したい。

 経営内容など、全く公開していないプロ野球のことを思えば、地域密着の市民クラブを目指す、プロサッカーのあり方が良く分かる。

 「サポーターの支援を受けるには、経営状況を知らせて、地域に開かれたものにして行かなくてはならない」という構想は、鈴木・前チェアマンが各クラブを説得し、実現したもので、今後、プロを目指すクラブには一つの指針になるだろう。

 Jリーグは近年「身に丈に合う経営」と提唱してきた。この情報を見ると各クラブは収支のバランスをいかに取るか、苦心のあとが見える。

 断然首位の浦和は58億500万円の収入を挙げ、「ファンの期待に応える人材を集め、よりビッグ・クラブを目指す」方向性がはっきりしている。

 ファンが集まれば投資へ回し、さらに魅了あるクラブへと前進を続けている独走態勢。しかしワールドカップ以降、観客動員が落ちているのが心配だ。

 大会終了後12週間開催されたが、20万人以上を集めた週は1回しかない。先週23日、24日の開催も19万人で大台には届かなかった。

 W杯大会前は20万人突破が3週もあったのと比較すると、落ち込みは明らか。大会終了後、欧州のスターが来日するかと期待されたが、1人もやって来ない。各クラブともそこそこにファンは来るが、頭打ちの現状だ。浦和のように、夢を売るために投資を惜しまないやり方こそ、プロとして、本来あるべき姿だが、そこそこの試合しか期待できないのではプロに夢を求めるファンは、次第に飽き足らなくなって行く。

 日本代表もそこそこの選手しかおらず、夢を掛けるにはほど遠い。
今後、さらに観客は減るのか、上昇するのか、Jリーグは今やまさに岐路に立っているのではあるまいか。

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