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vol.320-2(2006年 9月27日発行)
岡崎 満義 /ジャーナリスト
楽しみなライバルの将来

 高校生ドラフトが終わった。注目の駒大苫小牧の田中将大投手は、楽天イーグルスに決まった。野村克也監督は「楽天は弱いチームだから、大いにやり甲斐があるだろう」と相好を崩していた。

 今年の甲子園決勝戦が延長再試合で大いに盛り上がったのは、何といっても田中投手と早実・斎藤佑樹投手の、一歩も譲らない投げ合いにあった。しかも、この2人が見るからに対照的な性格に見えたから、対決はいっそう興味深いものになった。

  斎藤投手が負けん気は内に秘めて、上品なエリート秀才風であるのに対し、田中投手は将大という名前をひっくりかえした“お山の大将”“ガキ大将”風な野性味を見せていた。いずれ劣らぬ素質の持ち主、これから先、何年も何10年もライバルとして競い続けていくのではないか、と楽しみだ。ON、長嶋−村山、王−江夏・・・よきライバルは、珠玉の劇中劇のような楽しみをくれる。

 斎藤投手は早稲田大学経由でプロを目指すようだから、しばらく2人の直接の対戦はおあずけとなるが、今後4年間に2人はどんな成長ぶりを見せるか、期待は大きい。

 折も折り、巨人退団を決意した桑田真澄投手は、ひょっとして楽天入りか、との観測もでている。もしそうなれば、田中投手には格好の“先生”が身近にできることになる。桑田の明晰な頭脳に、大いに学ぶところがあるだろう。

 桑田投手に2度ほどインタビューをしたことがある。江夏、江川、工藤と並ぶ一級品、内容豊かで表現力も十分の投手だった。いずれにしろ、PLの桑田・清原という同一チームのライバルとはちがった、田中・斎藤のライバル関係は、これから先、何かにつけて報道されるにちがいない。

 斎藤投手は「ハンカチ王子」として話題をさらった。朝日新聞(9月18日)読者投稿俳句欄にこんな句がのった。
・ 斎藤と田中の話獺祭忌(吹田市三品稀一)
・ 眩しきやハンカチ王子誕生す(姫路市金戸与一)

 私も七言絶句を1首つくってみた。
 炎暑球場歓喜轟 炎暑の球場 歓喜轟く
 少年躍動競輸贏 少年躍動して輸贏(勝負)を競う
 連投九百吃驚汗 連投九百 吃驚(おどろくべき)の汗
 人称手巾王子名 人はたたえる手巾(ハンカチ)王子の名
                 (轟、贏、名=実韻)

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