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vol.295-1(2006年 3月29日発行)
杉山 茂/スポーツプロデューサー

興味深い関西大学のスケートリンク建設



岡崎 満義/ジャーナリスト
  〜モンゴル四天王の拓く夢〜
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興味深い関西大学のスケートリンク建設
杉山 茂/スポーツプロデューサー)
 関西大学がスケートリンクを大阪・高槻市のキャンパスに建設中だ。

 国内の大学では唯一となるもので、今夏7月の完成が待たれる。

 “アイス・スポーツ”の歴史は古く、1924年には「全国学生氷上競技連盟」が設立され、フィギュアスケート、スピードスケート、アイスホッケーの競技会を本格化させたが、会場は湖や池などの凍結を待って、その上に特設されるアウトドアが"常識"だった。

本格的な屋内リンクは1934年に東京芝浦に誕生しているが、維持、整備の経費がかさみ各地で次々に建てられるわけにはいかなかった。その状況が今日までつづいている。大半は商業施設で採算がとれず閉場も相次ぎ、トップゾーンを囲む環境は"寒い"。

 トリノ冬季オリンピックの金メダリスト・荒川静香が、記者会見で寂しさを訴えたのは記憶に新しい。愛好者・競技者は、リンク側の協力を得て、一般営業時間からはずれた早朝や深夜を貸し切る以外、練習の場を得ることができないのだ。

 そこへ、関西大学の今回の構想である。関係者の期待と注目が集まるのは、当然だろう。

 かつて、東京の女子短期大学が、フィギュアスケートに力をいれ、小規模なリンクを備えたことがあるが、関西大学のリンクは国際規格とされる60m×30mの氷面を持つ(観客席数518)。

 ほかの大学、高校の利用にも便宜を図るとされ、関西地区の“アイス・スポーツ”への関心を高めることにもなる。

 アメリカなどでは、大学のスポーツ施設が、その地域の“見る(見せる)スポーツ”の拠点になるケースは多く、この面でも、関西大学のリンクには、新しい発想が期待できる。

 伝統的な公共、民間施設を「憧れの舞台」化させるのも発展の1つの手だが、これからは、施設を通して大学と地域社会の“スポーツ交流”が図られていい。

 スポーツマネジメントを学ぶコースが、多くの大学に設けられる時代だが、その演習として、母校のアリーナやフィールドで「大学スポーツ」を展開する試みもできよう。

 関西大学のリンクは、競技力向上への寄与にとどまらず、さまざまなアイディアを浮かばせる―。


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