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vol.341-2(2007年2月28日発行)
松原 明 /東京中日スポーツ報道部
「Jリーグの前途」

 私は、1993年のJリーグ創設から取材してきたが、近年の各クラブは、さらに、未来を開拓しよう、という気概が余り感じられないのが気がかりだ。

 鬼武チェアマンは、今季の目標を「1100万人動員」と掲げた。
「J1は現在の70%、J2は50%増加の努力をすれば、達成できるはず。やりましょう。全員で」という呼びかけに、果たして、どのくらい反応するだろうか。

 昨年から、スタジアム、アクセスの環境が、少しも改善されていないし、クラブも、自治体、交通機関に、働きかけの努力をしていない。

 埼玉のアクセスの悪さは、同じまま。
年間2位の動員力を誇る新潟も、「昨年から落ち込んだ」と危機感を募らせている。
スター選手を売り払い、無名の若手で再出発の千葉、横浜Mも、これでファンを呼べるか、心配になる。
磐田、清水は、サッカー場の規模からいって、あれ以上の飛躍は期待できない。
ガンバも、サッカー専用場を作る、と公約を掲げた高槻市長は、何も実現できないまま、4月の統一地方選で再任されなければ、新サッカー場は夢に消える。

 注目しているのは、ホームページに「メッセージボード」というファンとの意見交換の場を2月2日から設け、生かせるアイデアは、どんどん活用しよう、としている、FC東京。村林裕専務が陣頭指揮を執り、連日、深夜までメールに目を通し、アピールに応えている。

 「3000人減ったのを回復し、さらに上積みして、平均3万人を目指そう」という意気込み。あらゆる手を使い、懸命に運動する職員の熱意に、サポーターが応えてくれるかどうか。

 「チェアマンが、大目標を打ち出したなら、全クラブが、懸命にやらなければ。この1100万人動員は不可能だとは思いません。みんな、初期のパイオニア時代の苦労を思い出して、やろうじゃありませんか」と、村林専務は情熱的だ。

 Jリーグが下降線を辿るのか、上昇を続けるか。安易にあぐらをかいていてはいけない。

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