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サッカーコラムVOL.001<06.03.10>

銀河系軍団の輝き

    

【葉山 洋/マーケティング・コンサルタント】


 あのマンチェスター・ユナイテッドを抜いて、最高の稼ぎを達成したレアル・マドリードに衝撃が走った。2月27日、会長のフロレンティーノ・ペレス氏が突然辞任を発表したのだ。

 

 ペレス氏がソシオと呼ばれるクラブ会員による選挙でレアルの会長に選ばれたのは2000年の7月。会長は互選により選ばれる実務職であって、チームのオーナーというわけではない。本業であるヨーロッパ有数の建設会社グループの経営手腕がかわれてクラブの財政建て直しを任されたのだ。

 

 サッカークラブ長者番付を発表したデロイト・アンド・トウシュによれば、5年前の2000/2001年シーズン、レアルの収入は1億3790万ユーロだった。それが2004/2005年シーズンには2億7570万ユーロに倍増。世界一裕福なサッカークラブとなった。

 

 その間、超一流のプレーヤーを次々と獲得。2000年にルイス・フィーゴ(宿敵FCバルサから)、2001年にジダン(ユベントスから)、2002年にはロナウド(インテル・ミラノから)、そして2003年にはデービッド・ベッカム(マンチェスター・ユナイテッドから)を引き抜き、綺羅星のようなギャラクティコ(銀河系)軍団を造り上げた。

 

 一方でチームの監督はデル・ボスケ、ケイロス、カマッチョ、ルシェンブルゴ、そして現在のロペス・カロと転々。営業成績とはうらはらに、はかばかしくないピッチ上の成績を象徴するかのようだ。

 

 ペレス氏が会長に就任した直後の2000/01年に、レアルはスペインリーグ優勝。そしてその翌年には欧州チャンピオンズ・リーグを制した。その当時の収益構成は放映権収入が5790万ユーロで42%を占め、入場料が4140万ユーロ、企業協賛等の事業が3860万ユーロでそれぞれ30%、28%だった。

 

 それが2004/05年になると放映権収入が8800万ユーロ、入場料が6370万ユーロと、50%強の成長を遂げたのに対し、事業収入は1億2400万ユーロにまで膨れ上がった。これは5年前のなんと3倍以上である。この急成長を支えた要件は何なのか。

 

 ユニフォームスポンサーのシーメンスを筆頭にスポンサー・サプライヤーからの協賛金は大きい。しかしそれ以上に業績に貢献したのは、レプリカ・ユニフォームや公式グッズの売り上げ増である。積極的なワールドツアーのおかげで、レアルのマーケットは世界へと広がった。ファンが買い求めるのは言うまでもなくベッカム、ロナウド。スタープレーヤーのアイテムである。

 

 プロのサッカーチームの価値は、観るエンターテインメントとしての充実度だ。その結果は入場料や放映権の収入増となって返ってくる。しかしグッズの売り上げは、頻繁にデザインスキームの変更でもしない限り高水準を維持し続けるには困難だ。

 

 ギャラクティコはクラブの営業成績に大いに貢献した。その意味ではペレス氏の財政建て直し策は結果を出したのだ。しかし彼は試合での成績不振の責任を取るかたちで身を引こうとしている。

このショックで銀河の星たちは再びピッチ上で輝くようになるだろうか。

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