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サッカ-ピックアップ

サッカーコラムVOL.001<06.03.10>

「FIFAとアメリカテレビ界の高額契約」

    

【杉山 茂/スポーツプロデューサー】


 日本のように、サッカーとベースボールが“両立”している国は、世界でも珍しい。

 

 ヨーロッパとアメリカでは、互いのスポーツを「どこが面白いのか」と肩をすくめ合うばかりで、時が経ってきた。

 

 将来どうなる?との問いに、多くのスポーツ関係者は「サッカーのアメリカ進出のほうが早い」とする。

 

 ヨーロッパで本格的なベースボールイベントは、めったに行われないが、アメリカでは1996年に発足した「メジャーリーグ・サッカー」(MLS)が、伝統のプロスポーツを追いかけはじめている。

 

 1969年に「北米サッカーリーグ」(NASL)が設立され、ヨーロッパや南米の有名選手もかなり参加したが、ベースボールやフットボール(アメリカン)の人気に遠く引き離されたまま散り、サッカーの前途はいちど暗くなった。

 

 1994年のワールドカップ開催で関心が高まり、女子の活躍もあって、最近の足取りは、たしかなものがある。

 

 例えばテレビ界。国際サッカー連盟(FIFA)は、早々と2010年ワールドカップの放送権ビジネスを展開し、ヨーロッパ放送連合(EBU)とは推定1300億円で合意に達しているが、EBUは50近い国の放送機関が名を連ねている組織、1国(1局)あたりの金額は有力国でも100億円台だ。

 

 ところが、アメリカは2010年、2014年のワールドカップ2大会を含むFIFAイベントのパッケージを推定500億円ですでに契約している。

 

 単純に2大会で割ると250億円。FIFAによれば、単一国と結ぶ放送権料としては“史上最高”である。 

放送の主力となるのは、ケーブルテレビの「ESPN」とスペイン語放送の「ユニビジョン」で、まだまだ、地上波民放の4大ネットワークが乗り出すまでには至っていないが、アメリカでの“サッカー人気”が拡がりはじめているのは明らかだ(注・「ESPN」はネットワークのABC系列)。

 

 2002年大会の、アメリカにおけるテレビ放送は、MLSが放送権(推定60億円)を買い取り、「ESPN」に、MLSの公式戦中継を条件として無償で提供した。

 

MLSとワールドカップの“テレビ上のタイアップ”は、アメリカらしいサッカー振興策だ。

 

 アメリカにも、やがてサッカーとベースボールが人気を二分する時代が訪れるのだろうか。

そうした目で“対岸の”ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を見るのも一興であろう―。

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