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第20回ミズノスポーツライター賞発表(2010年3月5日) ■2009年度 第20回 ミズノスポーツライター賞 受賞作品 スポーツメントール賞はこちらをご覧ください
------------------------------------ 「2009年度 ミズノ スポーツライター賞」受賞者決定 (財)ミズノスポーツ振興会及び(財)ミズノ国際スポーツ交流財団(2010年3月12日に合併し、財団法人ミズノスポーツ振興財団)では、'90年度より「ミズノ
スポーツライター賞」を制定し、スポーツに関する報道・評論およびノンフィクション等を対象として、優秀な作品とその著者を顕彰しています。 3月5日、グランドプリンスホテル高輪で
2009年度選考委員会を開き、受賞作品および受賞者を以下の通り決定いたしました。 なお、この「ミズノ スポーツライター賞」の表彰式を4月21日にグランドプリンスホテル新高輪で行います。 ■最優秀賞 ◇フットボールの犬―欧羅巴1999‐2009
宇都宮 徹壱(うつのみや・てついち) (東邦出版) ●選考理由 :
一人のフットボールをこよなく愛する写真家、写真だけでは喰えないので物書きも兼ねる。同業者が決して足を踏み入れないような辺境の地をほっつき歩いてはフットボール好きの子どもたちやクラブに熱中する大人たちをカメラに収める。「いつも腹を空かせながら、地を這うような視線でフットボールの匂いがするする場所を捜し求める」「フットボールの犬」というのが冒頭に記された著者のいささか自虐的な自己紹介である。
確かに著者の「ほっつき歩き」は半端ではない。本書はこの10年間にわたる、世界を股に掛けたフットボール遍歴の旅の記録だが、イギリスやイタリアのような本場はもちろん、日本人では誰も知らないようなフェロー諸島という辺境中の辺境にも出かけてユーロ2004の予選を観戦する。著者は章の最後に「気が付けば、羊の島の人々は、さりげなく、しかし明快に、フットボールの始原的な喜びを私に提示していた」と書き付ける。本書の中で白眉と言える章である。
ある章では、その地域の歴史や文化に対する鋭い視点と優しい共感が独特の輝きを見せている。アイルランド、エストニア、マルタなどの章が特に心に響く。ヨーロッパフットボールの歴史の奥深さ、日常生活に根付いたローカルなフットボールの魅力、そして現代社会の政治的・経済的パワーバランスを如実に反映したそれぞれの地域のフットボール事情が浮かび上がる。日本の取材網には到底ひっかからないような「マイナー」で「マニアック」な視点から独特のサッカー観が展開される。
また、本書のストーリー(文章)を補強し、メリハリを与えているのがヨーロッパ各地の街とそこに生きる人々、スタジアム、サポーター、選手などの写真である。確かに著者はライターであり写真家なのである。写真を見ているだけでも十分に楽しい。
■優秀賞 ◇「日本レスリングの物語」(※今秋、単行本化出版予定) 柳澤 健 (やなぎさわ・たけし) 掲載:Fight&Life 発行:フィットネススポーツ
●選考理由
: 日本におけるレスリングの誕生から今日までの80年余りを綴った歴史書とも呼べるような連載であり、同時に多士済々な人物が生き生きと描かれた大河ロマンのような面白さも併せ持つ。歴史をたどることが可能になったのは、国立国会図書館の新聞資料室に「八田一朗コレクション」という99冊ものスクラップブックが残されているからだ。八田は、これが戦火で失われることを恐れて、在米の知人に預けていた。
この八田一朗こそ、この連載の主人公と呼べる存在だ。早稲田大学出身の柔道家であり、1932年ロサンゼルス五輪のレスリング代表選手でもあった。
連載終盤、八田に匹敵する先見性の持ち主として現日本レスリング協会会長の福田富昭が登場する。特筆すべきは女子レスリングの可能性にいち早く気づいて信念を持って取り組み、今日の隆盛にまで育てた功績である。
女子レスリングを筆頭に史上最多のメダルを獲得したアテネ五輪で、日本選手団全体の強化委員長を務めたのは福田だった。福田はトップアスリート専用のナショナルトレーニングセンターの設立を働きかけて完成後はセンター長となり、日本スポーツ界全体のリーダーとして「国策としてスポーツに取り組むべき」といくつもの事業に着手している。
八田一朗、福田富昭といった人物がレスリングから出た理由を、著者は競技のもつ国際性に求める。数々の困難と理不尽を逞しく生き抜いてきた日本レスリングはやがてまた天才を得、より興味深い物語が紡がれていくだろう、と著者はこの長編を結んだ。
数多くの関係者への取材を中心にしたオーソドックスな手法を柱とし、生き生きとした人物を描き出しながら、わが国における一つのスポーツの誕生からの歴史を綴るという大変意欲的で非常に読み応えがある作品である。
------------------------------------ 第20回ミズノスポーツライター賞(2009年) 主催:財団法人
ミズノスポーツ振興財団 選考:ミズノ スポーツライター賞選考委員会 [主旨] 昨年来の経済危機が地球上を被い、世界各地で社会不安が蔓延し混乱が生じる中にあっても、スポーツだけは立ち竦んではいられません。手に汗握るアスリートの一挙手一投足が、渾身のプレーから生み出される妙技が、人々の魂を揺さぶり勇気と希望を与えてくれる、歓喜に満ちた存在がスポーツなのです。スポーツはどんな状況にあっても、子どもたち、若者たちが夢をふくらませ、それを叶えられる存在として新たな価値の創造を求められています。
スポーツをテーマに「書く」ということは、スポーツの世界で繰り広げられる様々な事象を、読む人の心にいきいきと甦らせることのできる高度の娯楽性を基盤に置きつつ、客観的な報道性(記録性)と時流に迎合しない批評性を併せ持った文章によって、人々にスポーツの価値を伝えることです。それはスポーツの文化性をより高めるために必須の営みだと言えます。
今年度で創設20周年を迎える「ミズノスポーツライター賞」は、「スポーツを書く」スポーツライターの業績を顕彰するわが国唯一の賞として、その使命はいよいよ大きなものとなってきています。本年も21世紀のスポーツ界とスポーツ文化のさらなる発展に寄与することを目的として、スポーツ報道とスポーツ・ノンフィクションに関する優秀な作品を広く公募いたします。
[対象領域] 【2009年1月1日〜12月31日】に発行・出版・発表されたもので、主として新聞・雑誌・単行本等に掲載された個人もしくはグループで書かれたスポーツ報道、スポーツ評論、スポーツノンフィクション、など。ただし、インターネット上のウエブサイトなどで発表されたもの、社内報や広報誌等一般に販売されていないもの、一般の者が入手不可能な機関誌的なもの、翻訳書や専門学術書・誌、研究紀要等に掲載されたいわゆる学術論文はこの対象からは除く。 [表彰内容]
★最優秀作品 1本 (トロフィー / 賞金100万円) ☆優秀作品 2本 (トロフィー / 賞金 50万円) [選考委員]
| 委員長 | 岡崎 満義 | 元(株)文藝春秋取締役兼編集総局長/「Number」初代編集長 |
| 委 員 | 杉山 茂 | スポーツプロデューサー/元NHKスポーツ報道センター長 |
| | 高橋 三千綱 | 芥川賞作家 |
| | ゼッターランド ヨーコ | スポーツキャスター |
| | 水野 正人 | (財)ミズノスポーツ振興財団会長、ミズノ渇長 |
※敬称略 ●締め切り(消印有効):2010年1月9日(土) ●発表 :2010年3月5日 ●表彰式 :2010年4月21日
【お問い合せ先】
「ミズノ スポーツライター賞」選考事務局 〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-16-15 代々木フラット401 スポーツデザイン研究所内
TEL:03(3377)4858 / FAX:03(3377)5028 お問合せ:こちら |