第32回ミズノスポーツライター賞発表（2022年3月11日）

■2021年度　第32回　ミズノスポーツライター賞　受賞作品
スポーツメントール賞はしばらくお待ちください。
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「２０２１年度 ミズノ スポーツライター賞」受賞者決定

　（公財）ミズノスポーツ振興財団では、１９９０年度から「ミズノ スポーツライター賞」を制定しており、２０２１年度で３２回目を迎えます。この賞は、スポーツに関する報道・評論およびノンフィクション等を対象として、優秀な作品とその著者を顕彰するとともに、 スポーツ文化の発展とスポーツ界の飛躍を期待し、これからの若手スポーツライターの励みになる事を願い制定したものです。
　３月１１日（金）、グランドプリンスホテル高輪で選考委員会を開催し、受賞作品および受賞者を以下の通り決定いたしました。
なお、この「ミズノ スポーツライター賞」の表彰式は、４月２０日（水）にグランドプリンスホテル新高輪で行います。

■最優秀賞　（トロフィー、副賞１００万円）

　『嫌われた監督』

　嫌われた監督　落合博満は中日をどう変えたのか
　　鈴木 忠平（すずき ただひら）（発行：文藝春秋）

【ミズノ スポーツライター賞 優秀賞】（トロフィー、副賞各５０万円）
・該当作品なし


【　選　評　】
　２００４年から２０１１年までの８シーズン、中日ドラゴンズの監督を務めた落合博満の物語である。厚さ３㎝以上もある大作だが驚くほどスムーズに読み進めることが出来る。著者の筆力の賜物と言えるだろう。
本書はプロローグとエピローグを含めると１３章立て。年（シーズン）毎に一つないし複数の完結したストーリーを展開し、落合の監督就任から解任までを描こうとする構成である。それぞれのストーリーには主人公がいて、落合と絡むことで何かを掴んだり、人生の転機を迎えたり、さまざまな経験を重ねる。多くの場合はドラゴンズの選手を取り上げたが、時に球団職員も登場する。
主人公たちと落合の関係性を軸に「私」すなわち著者本人の取材を通した「解釈」を加味することでドキュメンタリーとしてのリアリティを増している。スポーツ紙の駆け出しの記者として監督就任直前に「伝言」を伝えることで始まった著者と落合の関係は、記者として著者が成長し、取材対象から信頼を得ていくことで厚みを増してゆく。落合は雄弁ではない。そこで、周囲の人々の印象、反応、対応、などから落合という人間を浮き彫りにしようという試みだ。
そしてそれは見事に成功した。
　著者の手法として出色なのは、情景描写に陰影や濃淡をつけることで人物の心の動きや変化を読者に共感させることである。抑えた描写のなかにもその人物の人となりを確かな佇まいとして伝える文章は巧みで、この著者にしかないオリジナリティではないだろうか。
１０年以上前の取材をベースに実に生き生きと不世出の異端児を書き上げた。スポーツライターの業績を顕彰する賞にふさわしい出来栄えである。

主催：公益財団法人 ミズノスポーツ振興財団　
選考：ミズノ スポーツライター賞選考委員会

［制定目的］
　スポーツに関する優秀な作品とその著者（個人またはグループ）を顕彰し、 スポーツ文化の発展とスポーツ界の飛躍を期待するとともに、これからの若手スポーツライターの励みになる事を願い制定

［対象領域］
　【2021年1月1日～12月31日】に発行・出版・発表されたもので、主として新聞・雑誌・単行本等に掲載された個人もしくはグループで書かれたスポーツ報道、スポーツ評論、スポーツノンフィクション、など。ただし、インターネット上のウエブサイトなどで発表されたもの、社内報や広報誌等一般に販売されていないもの、一般の者が入手不可能な機関誌的なもの、翻訳書や専門学術書・誌、研究紀要等に掲載されたいわゆる学術論文はこの対象からは除く。

［表彰内容］
★最優秀作品　1本　（トロフィー ／ 賞金１００万円）
☆優秀作品　　2本　（トロフィー ／ 賞金　５０万円）

［選考委員］

※敬称略・順不動

［ 応募要領 ］
　作品の主旨および筆者名（担当記者）あるいは担当班とそのメンバー名、連絡先を記載の上、新聞・雑誌は作品のコピー3セット（A4サイズ／必要に応じて他サイズも可）、書籍は3冊を同封の上、お送り下さい。応募に際しご不明な点がございましたら選考事務局までお問合せ下さい。

●締め切り（消印有効）：2022年1月7日（金）必着
●発表 ：2022年3月11日（金）　　　
●表彰式 ：2022年4月20日（水）グランドプリンスホテル新高輪

【お問い合せ先】
「ミズノ スポーツライター賞」選考事務局
〒151-0053　東京都渋谷区代々木2-16-15　代々木フラット401　スポーツデザイン研究所内
ＴＥＬ：03（3377）4858　／　ＦＡＸ：03（3377）5028
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