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vol.333-2(2006年12月27日発行)
杉山 茂 /スポーツプロデューサー
様子見で過ぎた2大大会放送権料交渉
   〜今年のスポーツを振り返るC〜

 今年内には動きがあるのでは、と予想されもしていたオリンピックとFIFAワールドカップの2大放送権料交渉は、様子見で過ぎ具体化しないまま、年を越す。

 冬季オリンピック、サッカーともに、今年大会が終わったばかり、早すぎる感じもあるが、日本と並ぶ“有力圏”のアメリカとヨーロッパはすでにまとまり、いつもはゆっくり構える韓国もオリンピックは「SBSインターナショナル」で決着しているのだ。

 オリンピックは、トリノ冬季(今年2月)と08年の北京がセットになっており、次の交渉、とは10年のバンクーバー冬季(カナダ)と12年のロンドンのパッケージを指す。

 民放・NHKによる「ジャパンコンソーシアム(JC)」は、トリノは3850万ドル、北京は1億8000万ドルで契約しており、この手の更新は、よほどのことがない限り“前回以上”がラインになる。

 バンクーバー冬季は4000万〜4500万ドル、ロンドンは2億ドルの攻防が国際オリンピック委員会(IOC)との間で応酬されるとみていたが、その程度では収まりそうもない。

 アメリカ(NBC)が、両大会で20億ドルの巨額を03年6月に早々とまとめてしまい、JCがその15パーセント程度に抑えられたとしても3億ドルにはね上がる。さらに難しい交渉になるとの見方もある。IOCは“JC崩し”を狙うのだろうか。これも興味だ。

 FIFAワールドカップの放送権は14年大会と合わせて広告代理店・電通の手中にあり、10年の南アフリカ大会で、アジア大陸枠が「4.5」確保されたことで、一息ついての交渉になる。高値をめぐり火花が散ろう。

 問題は放送の仕組みだ。一部に伝えられる試合開始時間が、日本時間で午後8時、午後10時30分・・・などとなれば取引きは、はずもう。

 時差はドイツ大会と同じ7時間だが、南アフリカの気温を考えるとキックオフが繰り上がるのではないかと言われる。

 それでもJCが、40試合あるいはそれ以上を望むのかは微妙だ。

 オシム・ジャパンの試合ぶりもカギを握る。

 地上波各局の“豪華1点主義”が相変らず目立つ。この流れは強まりそうで、テレビ・スポーツの様相に微妙な変化を感じさせた1年だった―。

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