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vol.280-2(2005年12月 9日発行)
滝口 隆司/毎日新聞運動部記者

Jリーグと早明戦から見えるもの


葉山 洋/マーケティング・コンサルタント
  〜ホスト不在の国際試合〜
岡 邦行/ルポライター
  〜愛知大学野球連盟に加盟した中京女子大の「???」〜
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Jリーグと早明戦から見えるもの
滝口 隆司/毎日新聞運動部記者)

 先週末、土曜日はJリーグのジェフユナイテッド千葉・名古屋グランパスエイト戦、日曜日はラグビーの早明戦を取材した。試合後の記者会見で2人の監督が語った言葉は、くしくも共通するキーワードを連想させた。「戦力均衡」である。

 今季のJリーグは最終節に5チームが優勝の可能性を残す熾烈な争いとなった。結果的には、前節首位だったセレッソ大阪がFC東京と引き分けて5位に転落。2位だったガンバ大阪が勝利を収めて劇的な逆転優勝を飾った。私の取材した千葉は最終的に5位から4位に。結局、勝ち点差「1」に1位から5位がひしめく混戦で幕を閉じた。

 今季限りで勇退のうわさもある千葉のオシム監督には、自チームの試合内容だけでなく、今季のJリーグ全体の評価を問う質問も飛んだ。

 「最終節の1試合で首位のチームが5位に落ちるという接戦の今季をどう見るか?」
 この質問にオシム監督は答えた。

 「それ自体がJリーグの質の向上を示している。計算上、5チームに優勝の可能性があるという状況になったことは、リーグが成長している証しだ」

 最終節の9試合の観客動員は計19万6590人。1試合平均は2万1843人だが、セレッソ大阪・FC東京戦、浦和レッズ・アルビレックス新潟戦には4万人を超える観客が集まった。翌日のスポーツ紙各紙はJリーグをこぞって1面で掲載。今季、J1とJ2を合わせた観客総動員数はJリーグ史上、最多を記録した。日本代表の主力の多くが欧州リーグに移籍した今、それでもJリーグの観客動員が落ち込まないのは、そこに興奮を味わえる、競った試合があるからに違いない。

 国立競技場で行われた早明戦のスタンドは、例年になく空席が目立った。観客数は3万7945人。伝統の一戦に6万人近いファンが詰め掛けたかつての熱気は感じにくい。雨模様という事情もあったが、それが観客減の真の理由ではないだろう。早稲田の「一人勝ち」という状況に、ファンの興味も薄れがちなのだ。

 慶應戦の零封勝ちに続き、明治もノートライに抑えて関東大学対抗戦史上初の5年連続全勝優勝を飾った早稲田の清宮克幸監督は、「不遜」ともとられかねないコメントで今の大学ラグビーを評した。

 「自分たちがチーム作りに努力してきた結果だとは思う。しかし、(ライバルとなる)相手があってこうなったわけではない。お互いが競い合う中での5連覇なら、私も歴史に名を残す監督と呼ばれるかも知れない。でも、そうじゃない。(他は)どうなってるんだと思いますよ。残念ですね。年々、観客が減ってくる早明戦では困る」

 新しい練習環境を整備し、大学の運動部としては異例のスポンサーも獲得。選手のスポーツ推薦制度も変え、徹底した強化を図ってきた早稲田に、他大学が明らかに後れをとっている。それが「早稲田圧勝」の背景にある。Jリーグやプロ野球だけでなく、さまざまな競技のリーグ戦で「戦力均衡」の必要性が問われている。学生スポーツにもそんな発想と問題意識が求められる時代だ。


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