第26回ミズノスポーツライター賞発表(2016年3月8日)
■2015年度 第26回 ミズノスポーツライター賞 受賞作品
スポーツメントール賞はこちらをご覧ください
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「2015年度 ミズノ スポーツライター賞」受賞者決定
(公財)ミズノスポーツ振興財団では1990年度より「ミズノ スポーツライター賞」を制定し、スポーツに関する報道・評論およびノンフィクション等を対象として、優秀な作品とその著者を顕彰しています。
3月8日(火)、ザ・プリンスさくらタワー東京で2015年度選考委員会を開催し、受賞作品および受賞者を以下の通り決定いたしました。
なお、この「ミズノ スポーツライター賞」の表彰式を4月22日(金)にグランドプリンスホテル新高輪で行います。
■最優秀賞 (トロフィー、副賞100万円)
ベルリンの奇跡 日本サッカー煌きの一瞬
竹之内 響介(たけのうち こうすけ)(発行:東京新聞出版局)
選評:
1936年のベルリン・オリンピックで、初参加の日本のサッカーが優勝候補のスウェーデンを緒戦で撃破するという大番狂わせを演じたことはあまり知られていない。サッカー草創期のこの元気の出るエピソードを紹介しながら、その後に続く戦争の悲惨を見つめ、チームの主将だった竹内悌三の悲劇と、それに続く心温まる因縁話を陰影深く描いている。
本書の特色は物語の構成が重層的で、考え抜かれた展開になっていることであろう。主軸になるのは日本サッカー史の一局面で、忘れられかけていたベルリン・オリンピックでの目覚ましい活躍の記録を発掘し、資料や証言を抜かりなく配して生き生きと再現し、サッカーにおける『ベルリンの奇跡』を描いて成功している。
多くの関係者の証言が利用されているが、特に現役最高齢のサッカージャーナリストで、2015年に日本で初めてFIFA会長賞を受賞した賀川浩氏のインタビューに負うところが多いとして、氏を「監修」という位置づけにして表紙に明記しているのも礼儀正しい配慮と言えよう。
■優秀賞
広告を着た野球選手: 史上最弱ライオン軍の最強宣伝作戦
山際 康之(やまぎわ やすゆき)(発行:河出書房新社)
選評:
戦前の日本プロ野球の黎明期において人気を集めた球団「ライオン軍」と、球団スポンサーとなったライオン歯磨の物語である。著者は1960年東京生まれのインダストリアル・エンジニア。現在は東京造形大学教授でサステナブルプロジェクトが専門である。多くの著書があるが、いずれもプロダクト・デザインの領域の専門書で、スポーツライターではない。著者が専門外の領域で、持ち前のち密さを生かして世に出したひとつの研究成果である。
プロ野球黎明期の人間模様や、試合を紹介しながらも、プロスポーツだからこその柔軟性や一般企業との関係性を浮き彫りにしたユニークなノンフィクションである。テーマはネーミングライツビジネスの原点であるが、スポーツチームのスポンサーになっても、選手起用や作戦はもちろん、球団経営には口を出さないライオンの姿勢は潔い。スポーツマーケティングの視点からもたいへん興味深い、示唆に富んだ一冊である。
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主催:公益財団法人 ミズノスポーツ振興財団
選考:ミズノ スポーツライター賞選考委員会 [主旨] スポーツが巨大なメディアそのもとなった今日、世界の国々、地域、民族が分け隔てなく、共通のルールで価値を創造し共有できる文化は、スポーツをおいて他に見当たりません。 バンクーバー冬季オリンピック大会、サッカーW杯南アフリカ大会、いずれの舞台でも、肉体のもつ能力の可能性が未来に向かって切り拓かれました。世界の人々の魂を揺さぶる人間的なドラマも現出しました。スポーツはどんな状況にあっても、子どもたち、若者たちが夢をふくらませ、それを叶えられるフィールドとして価値ある存在であることがあらためて確認されたと言えるでしょう。 スポーツをテーマに「書く」ということは、スポーツの世界で繰り広げられる多種多様な事象を、読む人の心にいきいきと甦らせることのできる高度の娯楽性を基盤に置きつつ、客観的な報道性(記録性)と時流に迎合しない批評性を併せ持った文章によって、人々にスポーツの真価を伝えることです。それはスポーツの文化性をより高めるために必須の営みだと言えます。 今年度で21回目を数える「ミズノスポーツライター賞」は、「スポーツの世界を文字で描き伝える」スポーツライターの業績を顕彰するわが国唯一の賞として、その価値と使命がいよいよ大きなものとなってきています。本年も21世紀のスポーツ界とスポーツ文化のさらなる発展に寄与することを目的として、スポーツ報道とスポーツ・ノンフィクションに関する優秀な作品を広く公募いたします。
[対象領域]
【2015年1月1日〜12月31日】に発行・出版・発表されたもので、主として新聞・雑誌・単行本等に掲載された個人もしくはグループで書かれたスポーツ報道、スポーツ評論、スポーツノンフィクション、など。ただし、インターネット上のウエブサイトなどで発表されたもの、社内報や広報誌等一般に販売されていないもの、一般の者が入手不可能な機関誌的なもの、翻訳書や専門学術書・誌、研究紀要等に掲載されたいわゆる学術論文はこの対象からは除く。
[表彰内容]
★最優秀作品 1本 (トロフィー / 賞金100万円) ☆優秀作品 2本 (トロフィー / 賞金 50万円) [選考委員]
委員長 | 岡崎 満義 | 元(株)文藝春秋取締役・「ナンバー」初代編集長 |
委 員 | 上治 丈太郎 | (公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 参与 |
| 杉山 茂 | スポーツプロデューサー/元NHKスポーツ報道センター長 |
| ヨーコ ゼッタ−ランド | スポーツキャスター |
| 高橋 三千綱 | 芥川賞作家 |
※敬称略・順不動
[ 応募要領 ]
作品の主旨および筆者名(担当記者)あるいは担当班とそのメンバー名、連絡先を記載の上、新聞・雑誌は作品のコピー3セット(A4サイズ/必要に応じて他サイズも可)、書籍は3冊を同封の上、お送り下さい。応募に際しご不明な点がございましたら選考事務局までお問合せ下さい。
●締め切り(消印有効):2016年1月8日(金)
●発表 :2016年3月8日(火)
●表彰式 :2016年4月22日(金)グランドプリンスホテル新高輪(予定)
【お問い合せ先】
「ミズノ スポーツライター賞」選考事務局
〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-16-15 代々木フラット401 スポーツデザイン研究所内
TEL:03(3377)4858 / FAX:03(3377)5028
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