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第59回福岡国際マラソン選手権大会 藤田敦史

(C)photo kishimoto

第59回福岡国際
マラソン選手権大会
藤田敦史

 

SPORTS IMPACT
  オリジナルGALLERY
(C)photo kishimoto
vol.280-1(2005年12月 7日発行)
松原 明/東京中日スポーツ報道部

「ガンバの育成」

杉山 茂/スポーツプロデューサー
  〜オリンピック招致にスポーツ界の力示せ〜
   −2005年を振り返る@−
岡崎 満義/ジャーナリスト
  〜「チームQ」に期待すること〜
岡 邦行/ルポライター
  〜楽天野村監督の“参謀役”は?〜
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「ガンバの育成」
松原 明/東京中日スポーツ報道部)

 1シーズン制になったサッカー、Jリーグの王者にガンバ大阪が優勝した。

ガンバの特徴は下部組織出身者がJリーグで最も多いことだ。登録選手でユース出身者は、J最多の12選手。「選手を育ててトップへ送ろう」のJリーグの理想にかなうクラブの優勝は意義深い。

 ガンバの創立当時の幹部、松下正興副会長は言う。「初期の監督、釜本茂氏が育成した釜本スクールの組織を、そっくり受け継いで底辺を広げた。これが、ユース育成の土台になりました。これを発展させたのが大きい。今や、実りましたネ」

 ガンバの育成方法は一貫指導。小学1年から6年までのジュニアは「サッカーを楽しむ」ことから始め、少年たちのだれもがサッカー・ボールと遊ぶ、環境からスタート。中学年代のジュニア・ユースに入ると、基礎技術指導のテクニック、人間作りを並行し、高校のユース年代では、トップへ送り込む人材の育成に力を注ぐ。

 各年代に監督、コーチを多数置き、常に上野山育成部長が上下の意志疎通を図っている。

 ユースからは宮本、稲本、大黒の日本代表が育った。今季の優勝にはユース出身者の活躍なくては語れない。

上野山部長は、その狙いを言う。「稲本は“飛び級”で飛躍のチャンスをつかんだ。17歳の年代でトップでプレーできる選手を発掘しないと、世界に通じる選手を送り込めない。子供のころからサッカーに親しめるように配慮しながら、才能を伸ばす。これが大事です」。

 ガンバユースの評判は全国に広まり、志願者は増えるばかり。ジュニアは豊中、堺、門真の3地区。Jユースへも道はつながり、片道3時間も掛けて通う熱心な少年もいる。

 1992年4月にスタートして13年。ようやく足場は固まった。だが、ドイツ、フランスは育成の国家プロジェクトで各国をリード。世界に羽ばたいたが、いまは「教えることでうまい選手は出るが、図抜けたスターが出て来ない」悩みも抱えている。

日本もユース、クラブ・スクールの発達で昔とは比べられないほど、基礎技術はうまくなり、全体のレベルは上がったが、最近は、それ以上の選手が出てこない。

 Jリーグ優勝の原動力になった、ガンバの選手育成が、さらに、飛躍するかどうか、今後の行き方に注目したい。


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