会社案内
ホームページトップへこのページですインパクトへエデュケーションへインフォへ会社案内へ
 
オリジナルコラムを中心とした当サイトの更新情報、スポーツ関連講座やシンポジウム開催情報などを無料配信しております。今すぐご登録を!
メール配信先の変更
ご意見・ご要望

最新号

■Back Number■

vol.177(12/10)
vol.176(12/ 5)
vol.175(12/ 3)
vol.174(11/26)
vol.173(11/19)
vol.172(11/12)
vol.171(11/ 5)
Vol.170(10/29)
Vol.169(10/22)
Vol.168(10/15)
Vol.167(10/ 8)
Vol.166(10/ 1)
Vol.165( 9/24)
Vol.164( 9/17)
Vol.163( 9/10)
Vol.162( 9/ 3)
Vol.161( 8/27)
Vol.160( 8/20)
Vol.159( 8/13)
Vol.158( 8/ 6)
Vol.157( 7/30)
Vol.156( 7/23)
Vol.155( 7/16)
Vol.154( 7/ 9)
Vol.153( 7/ 2)
Vol.152( 6/25)
Vol.151( 6/18)
Vol.150( 6/11)
Vol.149( 6/ 4)
Vol.148( 5/28)
Vol.147( 5/21)
Vol.146( 5/14)
Vol.145( 5/ 7)
Vol.144( 4/30)
Vol.143( 4/23)
Vol.142( 4/16)
Vol.141( 4/ 9)
Vol.140( 4/ 2)
Vol.139( 3/26)
Vol.138( 3/19)
Vol.137( 3/12)
Vol.136( 3/ 5)
Vol.135( 2/26)
Vol.134( 2/19)
Vol.133( 2/12)
Vol.132( 2/ 5)
Vol.131( 1/29)
Vol.130( 1/22)
Vol.129( 1/15)
Vol.128( 1/ 8)
Vol.127(12/25)
Vol.126(12/18)
Vol.125(12/11)
Vol.124(12/ 4)
Vol.123(11/27)
Vol.122(11/20)
Vol.121(11/13)
Vol.120(11/ 6)
Vol.119(10/30)
Vol.118(10/23)
Vol.117(10/16)
Vol.116(10/ 9)
Vol.115(10/ 2)
Vol.114( 9/25)
Vol.113( 9/18)
Vol.112( 9/11)
Vol.111( 9/ 5)
Vol.110( 8/28)
Vol.109( 8/22)
Vol.108( 8/14)
Vol.107( 8/ 7)
Vol.106( 7/31)
Vol.105( 7/24)
Vol.104( 7/17)
Vol.103( 7/10)
Vol.102( 7/ 3)
Vol.101( 6/26)
Vol.100( 6/19)

100号記念メッセージ
150号記念メッセージ

■vol.178(2003年12月12日発行)

【佐藤次郎】 なぜ「さん」をつけないのか
【賀茂美則】 再び全米No.1を決める悩み





なぜ「さん」をつけないのか
(佐藤次郎/スポーツライター)

 ささいなことかもしれないが、いつも気になって仕方がないことがある。サッカーやプロ野球の世界で、外国人監督や選手の名前に日本の選手が敬称をつけないのはどうしてなのだろうか。
 
 サッカーの日本代表選手は、インタビューの時にいつも「トルシエはこうした」「トルシエがこう言った」と話していた。ジーコ監督になっても、一部の選手を除いて「ジーコは」という言い方だという。そこで、一般人としては違和感を感じてしまうのだ。ずっと年上で、チームのリーダーたる監督なのだから、当然のことながら「トルシエさん」とか「ジーコ監督」とか言うべきではないのだろうか。
 
 もちろん、親しいかどうか、仲がいいかどうかなどとは関係なく、である。
 
 Jリーグには外国人監督が多いが、こちらもたいがいは呼び捨てのようだ。「○○のサッカーは」「○○はこう指示した」と言うのである。といって、日本人監督の場合はそうではない。「監督は」「○○さんが」と言っている。なぜ外国人の場合は敬称を略してしまうのか。
 
 選手についても同様だ。年長のベテランのことを語るのにも「さん」をつけない。プロ野球でも同様で、はたちそこそこの若手が10歳も15歳も年上の外国人選手に「さん」をつけないで、ちっとも気にする様子がない。最近はメジャーリーグ流にファーストネームで言う場合もあるが、それにしてもたいがいはファミリーネームの呼び捨てである。日本人の先輩には過剰なまでの敬語を使う場合もあるのに、だ。言っている方はその矛盾が気にならないのだろうか。
 
 ついでにいえば、解説者などもそうだ。わざわざすべての日本人選手に「君」をつけてしゃべる人物も、外国人選手は「君」なしである。どうしてなのか。当人の中ではどんな線引きがあるのだろう。
 
 実際のところ、なぜそうなのかは明確でない。が、ひとつ感じることはある。結局のところ、敬称をつけない者たちは、外国人監督にしろ選手にしろ、よそから来た別の世界の人、としかみていないのではないかということである。もっと極端にいえば、この国際化時代でもなお「よそ者」「助っ人」という感覚でいるのではないか。
 
 というのも、年長者にも監督にも「さん」をつけないもの言いには、仲間としての親しみや連帯の気持ちが感じられないからだ。おそらく、日ごろもあまり話をしていないだろうとも感じる。つまりは、すぐにいなくなる「ガイジン」としてしかみていないという感覚が伝わってくるのだ。
 
 おそらく彼らは、言葉の問題もあって、どんな場合でも外国人たちと積極的に交わろうとはしていないのだろう。心の通じ合いも乏しいのだろう。そうでなければ、尊敬すべき先輩にも「さん」もつけない冷たいもの言いはしないはずだ。
 
 もしそうだとすれば、このことは日本人の国際性の乏しさを象徴する一例であるはずだ。そしてまた、日本のスポーツがなかなか国際化しない一因でもあるに違いない。ことは単に「礼儀」の問題ではないと思う。

PageTop


再び全米No.1を決める悩み
(賀茂美則/スポーツライター/ルイジアナ発)

 アメリカ人は何でも一番が好きだ。Tシャツに印刷された日本語でもっと良く目にするのは「一番」だし、筆者が住むバトンルージュにも「一番」という名の日本食レストランがある。
 
 一番の好きなアメリカで一番盛んなスポーツ、アメリカンフットボールで、全米大学No.1をめぐって、また揉めている。

 全米大学No.1を決めるために5年前に導入されたボウル・チャンピオンシップ・シリーズ(BCS)は、No.1決定戦の参加チーム(全米1位と2位)を決めるのに、AP通信、ESPN/USA Todayのランキング、7種類のコンピュータランキング、対戦相手の成績などを加味した複雑なシステムを使っている。
 
 今年はこれまで、1位が無敗のオクラホマ大(OU)、2位が1敗の南カリフォルニア大(USC)、3位が同じく1敗で筆者が教えるルイジアナ州立大(LSU)であった。
ところが12月6日の最終週にOUが惨敗し、さらにUSCとLSUがBCS得点で大接戦を演じたことで、大騒ぎになったのである。
 
 結果から言えば、全米No.1決定戦(今年はニューオーリンズで行なわれるシュガーボウル)ではOUとわがLSUが対戦することになり、USCは涙をのんだ。BCS得点(低い方が良い)は順に5.11、5.99、6.15であり、2位のLSUと3位のUSCの0.16という差は、シーズン最終戦で、ボイジ州立大がハワイ大に勝ったことで決まった。ハワイ大に勝っていたUSCが「対戦相手の成績」で点を落としたのが決め手であった。
 
 最終戦に圧勝したUSCがBCSで2位から3位に落ちたことも問題だが、さらに問題なのは、5年前のBCS導入まで全米No.1を決めていたAP通信主催のスポーツ担当記者による投票と、コーチによる投票のどちらも、USCが1位だったことである。
 
 シーズン最終戦で負けたOUはイメージを落とし、記者による投票ではLSUに続く3位に沈んだのだが、BCSの大きなウエートを占めるコンピュータは、イメージには左右されないので、7つのランキングのうち5つまでがOUをNo.1とした。
 
 USCのファンは、僅差で先を越されたLSUよりも、OUを恨んでいるようだ。Yahooのファン投票でも、66%が全米No.1決定戦はLSUとUSCでやるべきだと答えている。最終戦で惨敗したOUには全米チャンピオンになる資格がないと考えるのが人情であろう。
  
 5年前までなら、USCは1位でシーズンを終え、招待試合であるローズボウルで勝てばほぼ間違いなく全米No.1になれたのである。ところが今年は、LSUとOUの勝者がBCSではNo.1となることが間違いなく、USCがローズボウルで勝てば、APの投票ではNo.1となる可能性が高い。つまり、BCSの全米No.1とAPの全米No.1が一致しないということが起きるのである。
 
 BCSは、複数の全米No.1を作らないために生まれたシステムである。今年の場合も、BCS導入以前なら、USC、LSU、OUはすべて異なる招待試合を戦ったので、シーズン終了後にどこのチームが真のNo.1かについての論争が起きることは確実であった。
 
 それでも、もし元旦にUSCがローズボウルで勝つとBCSはまた大きな批判を受けることになろう。
 
 アメリカでは大学の野球、サッカー、バスケットボール、すべてトーナメントがある。フットボールは週に1試合しかできないのでトーナメントを導入するとシーズンが伸びること、招待試合の価値がなくなるのを恐れるビジネス界の大反対によって、これまで1部チームのトーナメントは存在しなかった。
 
 しかしながら究極の解決策はトーナメント戦を行なう以外にないのは誰もがわかっている。BCSの契約終了後の2006年には何らかの形で「全米No.1決定トーナメント」が見られるであろう。
 
 とりあえず筆者としてはわがLSUが出場する全米No.1決定戦(シュガーボウル)のチケットを手に入れたいのだが、安い席で1枚7万円が相場だと言う。全米No.1決定戦はチケットの値段も「一番」のようである。

-------------------------------------------------------------------
参考:
全米No1を決める悩み(Vol. 76, 12/12/01

PageTop


本サイトに掲載の記事・写真・イラストレーションの無断転載を禁じます。 →ご利用条件