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女子バスケットボール アテネ五輪出場決定
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vol.184(2004年1月21日発行)
【杉山 茂】活かしたい女子バスケットボールの「快勝」
【早瀬利之】女子選手の男子ツアーへの参加、「いいかげんにしろ!」
【佐藤次郎】プロ野球にとって「五輪」とは・・・
【高山奈美】日本女子バスケが奇跡の勝利
vol.183 2004年1月14日号「有料独占放送の・・・」
vol.182 2004年新年号「2004年スポーツ展望」
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活かしたい女子バスケットボールの「快勝」
(杉山 茂/スポーツプロデューサー)

 女子バスケットボールがアテネ・オリンピック行きを決めた。(1月17日)

 戦術的、技術的な評価はエキスパートに譲るとして、選手たちがかなり追い込まれた状況にも関わらず、のびのびと動いていたような印象を受けた。若者たちの“よさ”が、大事な試合で発揮されたと言える。

 サッカー界によって“一般的”になった「ホームの利を活かす」というボールゲーム独特の展開ものぞけた。戦いかたが時代とともに着実に変わり進んでいる。

 企業のスポーツ活動縮小があたりまえのように受けとられているなかで、この大会はトップチームを抱える「ジャパンエナジー」が、戦力面だけでなく、運営面でもさまざまなサポートをしているのも目立った。

 企業のスポーツ観はゼロのレベルに落ち込んでしまったのではなく、スポーツ側の姿勢が明確になれば、いささか甘い見通しかもしれないが、まだまだ手を差しのべてもらう余地はありそうだ。

 ラグビーのトップリーグも、日程が深まるにつれ、参加チーム(企業)周辺の熱気が高まってきたといわれ、関係者は来シーズン以降への手応えを少しずつ感じているようだ。

 女子バスケットボール界は、今回の“勝利”で、いささか停滞気味の国内リーグを勢いづかせようと、活気づいている。

やはり「オリンピックは打ち出の小槌(こづち)」のようだが、本来は国内の活況が基盤となって代表のたくましさ、強さが備わるべきだ。

 日本のボールゲームはその逆の図式が多い。課題ではないか・・・。

女子選手の男子ツアーへの参加、「いいかげんにしろ!」
(早瀬 利之/作家)
 今年のソニーオープンは、なんとも不愉快な大会というよりも「いいかげんにしろ!」と言いたかった。ソニーらしくない大会だった。ピンボケであった。

 このところ、女子選手を男子ツアーに参加させたい意向だが、ソニーに限らず、主催側とテレビ局が仕組んだ話題づくりのためとは情けない。

 アニカ・ソレンタムがコロニアルオープンに出場したときは、女子ナンバーワンが、男子プロと戦ってどれだけの成績を残すかに期待があった。結果は5打差で予選落ちしたが、その後女子プロの参加を認める主催者が表れてきた。

 日本でもカシオ・ワールドにイギリスのトッププロ、ローラー・デービスが出場する話が出てきたとき、日本の男子プロとイギリスの女子プロナンバーワンがどれほどの力の差があるか、期待を持った。

 今回のソニーオープンでは14歳のアマチュア・ウィーが参加して話題づくりに貢献した。主催者のソニーがOKしたからだが、ゴルフファンのひとりとして言わせてもらえば、ソレンタムやデービスの例とは訳が違う。力の差ははっきりしているし、だいいち、男子ツアーではなく、女子ツアー界で力をつけるか、アマチュアとしてもっとやるべきことがあるのではないか。

 目立ちたがるのも結構だが、本来の土俵で力を養うべきで、「女だから出場を許してくれ」というのは、おこがましい。ましてテレビレポーター出演とは、テレビ局や主催者の頭の中を疑いたくなる。

 エルスも丸山茂樹も出ていて、トッププロがそろっているのに、何が不足か。今後はマネーランキング一位獲得者のみとして、他の女子の参加は、「いいかげんにしろ!」と言いたい。
プロ野球にとって「五輪」とは…
(佐藤 次郎/スポーツライター)
 いまの日本のプロ野球にとって、また、選手たちにとって、オリンピックとはそんなに大事なものなのだろうか。
 
 アテネ五輪を控えて、野球の日本代表チームに関するプロ野球界の動きが騒がしい。最近は、各球団の派遣枠をめぐって、決まっている「2」枠を撤廃するかどうかの論議が続き、その迷走ぶりを批判する声も高いようだ。これも含めて、代表決定までにはまだまだいくつもの問題が現れるのだろう。
 
 というような状況を見ていて感じるのが、冒頭の疑問である。アテネに球界挙げて最強メンバーを送るのが、さらに金メダルを獲得するのが至上命題であるという前提が、さまざまな論議の底流にあるようなのだが、果たしてそうなのだろうか。
 
 確かにオリンピックは素晴らしいものだ。多くのアスリートにとって、それは至上の存在でもある。だからこそ、五輪という大会は我々見る側にもあれほどの感動をもたらすのである。しかし、すべてのスポーツ人にとって五輪が至高のものかといえば、もちろんそうではない。ことに、多くのファンを持つプロリーグの場合は、事情がまったく違うはずだ。
 
 日本のプロ野球は、間違いなく「国民的娯楽」ナンバーワンの座にある。ただ、その人気に陰りが出つつある状況も抱えており、将来へ向けて正念場を迎えているという時期にもある。そうした中で何よりもまず考えていくべきなのは、オリンピックの金メダルなどではなくて、セ・パ両リーグそのものの充実だろう。たくさんのファンがいつも望んでいるのは、レベルの高い、面白い試合が増えることであり、フレッシュなスターが次々と登場してくることであり、その結果、熾烈でエキサイティングな優勝争いが常に繰り広げられることなのである。
 
 五輪にオールスターチームを送って金メダルを取れば、もちろん注目されるし、それによる野球の振興も期待できる。だが、米メジャーリーグの出てこないアテネで勝ったとしても、どれだけのインパクトがあるだろうか。それより、連日の熱戦で激しいペナントレースをファンに見せる方が、何倍も何十倍もプロ野球の発展や人気拡大に役立つのは言うまでもない。オリンピックをめぐる一連の動きには、もっとも大事なその視点が欠けているように思えてならない。将来的にオリンピックの中で野球がどんな位置を占めるのかはまだ不透明だが、少なくともこのアテネの段階では、日本のプロ野球にとって五輪が最優先課題ではないはずだ。

 オリンピックは回を追うごとに各メディアにセンセーショナルな扱いを受けるようになり、結果、世の中には上滑りな五輪ムードがあふれている。球界もその浮ついたムードに流されているようにも見える。既に成功を収めているスタープレーヤーがオリンピックに新鮮な魅力を感じるのもわかるが、選手にとっても何より大切なのは、日々のリーグの試合でいいプレーをしてファンを引きつけ、ますます大きな存在になっていくことのはずだ。今回は球団の派遣枠の公平性が論議の的になっているが、そもそも、リーグを中断もせずに主力選手の抜けた試合を続けるとすれば、ファンを喜ばせるエキサイティングでハイレベルな戦いなど望むべくもないのではないか。
 
 といって、オリンピックも大事なことに間違いはない。そこで疑問に思うのは、これまでの球界の対応である。リーグの充実を図りつつオリンピックも成功させるために、十分な準備期間を持って、リーグ中断や選手派遣の形を周到に検討し、練り上げてくれば、五輪を間近にしたいまになって混乱を招くこともなかったはずだ。中長期のビジョンや理念がともすれば欠けがちな日本のスポーツ界の体質が、ここにも表れたと言えるかもしれない。
日本女子バスケが奇跡の勝利
(高山 奈美/スポーツライター)
 「勝っちゃった!」
 「奇跡!」

 女子バスケットボールチームが、予選リーグを1位で通過した韓国を再々延長におよぶ大接戦のすえ準決勝で打ち負かし、アテネオリンピックの出場を決めた。翌朝、スポーツ新聞各紙はこの偉業を一面トップで報じた。確かに「奇跡」の勝利だった。

 このアジア選手権兼オリンピック予選は、もともと6月に開催される予定だった。それがSARS(新型肺炎)の影響で当初の予定を半年以上後らせての開催となったため、日本代表チームはWリーグのレギュラーシーズン戦をこなし、さらにその合間を縫って年末年始に全日本総合(天皇杯)のトーナメント戦を戦い抜いた直後に、今大会を迎えるという強行日程を強いられた。

 一方、韓国は徹底的にアジア選手権に照準をしぼった日程が組まれていた。予定されていた国内リーグを延期してまで、オリンピック予選に賭けてきたのだ。そもそも日本より格上と見られ、オリンピック切符はほぼ間違いないとされていた韓国すら、ここまで手堅く調整してきたのである。この国のオリンピックに賭ける熱意を目の当たりにした気がする。

私が「奇跡」の勝利と言ったのは、まさにこの点にある。格上の韓国に対し、日本がベストコンディションで臨むことができるならまだしも、強行日程を押して疲れ切ったコンディションのまま臨んだのでは勝算はない。つまり、今回、日本代表はチーム力の差だけでなく、取り巻く環境の差をもひっくり返して勝利したのだ。これぞまさに「奇跡」である。

日本が韓国に勝ち、無事にオリンピックの出場権を獲得したからと言って、今回、日本代表選手が、予選を控える環境に相応しくない強行日程を強いられたことを見て見ぬふりをしてはいけない。結果オーライではこの勝利の喜びは続くまい。もう少し、選手のコンディションを考慮し、国内日程の変更など力を尽くせないものだろうか。

 勝ったときだからこそ省みたい。選手たちの手でつかんだ「奇跡」の勝利を無駄にせぬよう、せめてアテネオリンピックへは、ベストコンディションで臨めるような環境作りを提供してほしいものだ。



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