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vol.198(2004年4月28日発行)

【杉山 茂】連係生まれはじめたスポーツ団体
【高田実彦】プロ野球は実数発表を
【佐藤次郎】なぜ代替出場なのか

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連係生まれはじめたスポーツ団体
(杉山 茂/スポーツプロデューサー)

 東京の人気スポット・お台場海浜公園を会場にして「ビーチスポーツ」のイベントが開かれた(4月24、25日)。

 年間を通じて海辺で楽しく過ごせる環境作りをコンセプトに、昨年、初めて開かれたものだが、興味深いのはビーチバレーボールをはじめビーチフットボール(サッカー)、シーカヤック、ビーチハンドボール、ビーチドッジボール、ライフセービングなど多くのスポーツ団体が“連合”、プログラムを展開していることだ。

 国内のスポーツ界は、横の連係をとるのが不得手。それが、スポーツを取り巻く問題が生じた時の“もろさ”にもつながる。

 我がスポーツさえ被害をこうむらなければ、とばかりの姿勢が、協調の精神を片隅に押しこんでしまうのである。

 企業チームの活動縮小や少子化といった共通の悩みが皮肉にも、困惑の額を集めさせるきっかけとなり、日本オリンピック委員会(JOC)が「球技復活プロジェクト」などを作り出しもした。

 ビーチスポーツの“集合”は、1つのスポーツでは、海辺の使用の許可をとるのに手間がかかりすぎることから、各団体の参加が求め易く、コンセプトと巧く重なり合った。

 こうしたアイディアや行動は、スポーツ界はもっと積極的に進められていい。

 各スポーツの日本リーグ関係者で、運営面での効率を図るため、協議機関を設けたらとの声も上りはじめているようだが、そうなればスポーツごとにリーグ戦の開催曜日を振り分け定着させることも可能だし、シーズン制の確立も考え易くなる。

 海辺の新たな文化を打ち出したビーチでのイベントはスポーツと社会の関わりの濃さを改めて示した。

 スポーツは競技力の高さだけが“売りもの”ではない。この視点も、日本のスポーツ団体には欠けている。

 チャリティ、社会的な記念行事…。主催者側から声をかけられて腰を上げるのではなく、スポーツ側が、そこへの参加により敏感でありたい。

 音楽イベントとのコラボレーションも、そろそろ本格的な試みが生まれないものだろうか。

 お台場でも、タヒチアンダンスのパフォーマンスが、新鮮で、スポーツと溶け込んで、場を盛り上げていた―。

プロ野球は実数発表を
(高田 実彦/スポーツジャーナリスト)

 日本ハムの“新庄効果”が光っている。プロ野球序盤(4月25日まで)の入場者数を見ると、日本ハムが去年より45.7%アップして、伸び率では球界トップ、パ・リーグではダイエーに次ぐ第2位の動員数を示している。

 だが、新聞が伝えるこの種の数字には、鵜のみにできない「隠れた事情」があるのだ。

 札幌にフランチャイズを移した日本ハムは、札幌ドームで9試合を行って21万9000人を集めた。1試合平均2万4000人。

 担当記者が「土曜日と日曜日にお客さんが多い。そのほとんどが新庄見たさの女性や子供連れ。ハッキリと新庄効果が出ている」というように“試合よりもSHINJO”で、あっぱれである。

 だが、日本ハムの総動員数が大幅アップしたという中には、東京ドームで行った3試合分も含まれている。その数10万2000人。1試合平均が3万4000人で、札幌のそれを大きく上回っている。札幌に行けない関東地区の日本ハムファンと新庄クン見たさのお客さんが押しかけて球団トータルの動員数を伸ばしているわけで、札幌だけで45.7%アップさせたわけではないのだ。

 新しいフランチャイズで、“新庄効果”でもなんであれお客さんを集めたのは立派だが、新聞が伝えるように一概に「札幌で成功」と評価できるものとは限らないのだ。

 しかも、周知のように球団発表の入場者数は、水増しもいいところ。プロ野球数字の神様・宇佐見徹也氏は、「良心的な横浜スタジアムと広島球場を除いては、各球場とも5000人前後の水増しが常識となっている」(野球文化学会編「ベースボーロジー」T)と書いている。
また、日本ハム球団職員を辞めたばかりの遠藤崇広氏は、「実数×1.5倍がパ・リーグ球団の相場(ダイエーだけは例外)で、ひどい球団では実数×2倍の発表をする。セ・リーグは実数+1万人での発表が相場である」(同V)と暴露している。

 この点については、どの球団も「年間指定席分はすでに売れているのだから、たとえ空席であっても実数に加えている」と説明しているが、「入場者数」と断っている以上、水増しへの反論の根拠になってはいない。

 しかし、だからといって今年序盤の日本ハムの動員争いで善戦していることは変わらないのだが、プロ野球界はここらで、水増し発表をやめたらどうか。野球の興行は虚業ではないのだ。

 また、パチンコ屋のような「大出血、出るよ!」の嘘っぱちな過激宣伝はスポーツ的ではないのだから。

なぜ代替出場なのか
(佐藤 次郎/スポーツライター)

 これはおかしい。とにかく強い違和感を感じる。まっとうなスポーツファンなら、たいがいそうだろう。そもそもこれはスポーツマンシップの概念からずれている話ではないか。
 
 水泳のスーパースター、イアン・ソープがオーストラリアの400メートル自由形のアテネ五輪代表になった。国内選考会でフライングによって失格した後、2位で代表に選ばれたクレイグ・スティーブンズの辞退によって、あらためて代表となったのである。これはいったいどういうことなのか。
 
 ソープが水泳界随一のスターであるのは言うまでもない。失格が不運なものだったのもわかる。オーストラリア水泳界はもちろん、国際水連も、IOCもアテネの組織委員会も、連覇を目指してオリンピックを大いに盛り上げる大スターを出場させたいに違いない。彼の泳ぎをぜひアテネの舞台で見たいというファンも多いのだろう。
 
 だが、だからといって、どうしても彼を400メートル自由形に出さねばならないのだろうか。
 
 スポーツにはルールがある。事情はどうあれ、ルールにのっとって行われた競技の結果は尊重されねばならない。ルールに従って大会が行われた限り、失格は失格である。たとえスーパースターであろうと無名の選手であろうと、立場によって結果が左右されてはならない。だからこそスポーツは万人の共感を得ているのではないか。
 
 今回の出来事は、どうしてもソープを出したいという各方面の意向がもたらしたもののように思える。記者会見でソープ選手が言っていたように、これはスティーブンズ選手の意思には違いないだろう。だが、それにしても、スーパースターを救済するために正当に選ばれた選手が辞退するという形は、果たしてスポーツの世界にふさわしいものだろうか。また、それをスターの側が当然のように受け入れる姿は、ファンの理解を得るものなのだろうか。
 
 この話に強い違和感があるのは、強くて実績のある選手が何がなんでも優先されねばならないのだろうかという疑問があるからだ。スポーツの結果はその競技の場にあらわれたもの以外にない。それまでの実績だとか、メダルを取る可能性だとかは別のものである。結果が出ていないのに、「こんなに強い選手なのだから、オリンピックに出るのは当然なのだ」と言わんばかりのやり方がまかり通るのを、まっとうなスポーツファンはけっして認めない。
 
 マラソンの高橋尚子選手が五輪代表から外れた時の一部の論調もそうだった。「金メダルが取れるのだから、代表に選ぶべきだ」「オリンピックの連覇がかかっているのだから、代表になるのは当然だ」――などというのである。しかし、それはちょっと違うだろう。スポーツの主役はあくまでそれぞれの選手であり、そのパフォーマンスそのものである。ならば、選手選考にしても、選考会の結果以外に尊重するべきものはないはずだ。
 
 ソープ選手にはこう言ってほしかった。「スティーブンズ選手の好意はありがたいが、400メートルではぜひ彼に頑張ってほしい。僕はそのほかの種目で頑張りたいと思う」と。
 
 近ごろは、スポーツマンシップやフェアプレーといった言葉の影が薄くなってきている。そして、こうしたところからもその傾向が強まりそうに思える。そんな流れをそのままにしておいていいのだろうか。
 
 アテネの400メートルでソープ選手が金メダルを取る可能性は高いだろう。が、そっと横を向くファンもまた少なくないに違いない。



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