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vol.205(2004年6月23日発行)

特集 「近鉄+オリックス 問題」
【岡崎満義】「日本プロ野球改造法案」を大募集したい
【高田実彦】パ・リーグは、まず「リーグ維持」を考えるべきか
【杉山 茂】2リーグ制でビジネス路線“正常化”を


筆者プロフィール
vol.204 2004年6月16日号「近鉄を潰したのは・・・」
vol.203 2004年6月 9日号「福士加代子の・・・」
vol.202 2004年6月 2日号「FIFAが、WADAが・・・」
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「日本プロ野球改造法案」を大募集したい
岡崎 満義/ジャーナリスト)

 プロ野球に激震が走った。

 近鉄とオリックスの合併。年間40億円の赤字という近鉄は、チームの命名権を売りたい、と言って物議をかもし、総スカンをくらってあっさり撤回したのも、ごく最近のことだ。

 大半のチームが赤字経営と言われつづけていたから、いずれはどこかの球団が破産・消滅するだろう、とは、みんなある程度、覚悟していたことだろう。それでも、2チームが合併する、1リーグ制だ、他にも合併寸前のチームがいくつかある・・・・・・などの声が大きく聞こえてくると、気分的に落ち着かない。

 このニュースを聞いて、まっ先に思ったことは、京阪神地区に政治・経済・文化的な力がなくなったこと、この地区の地盤沈下が、バッファローズとブルーウェーブの合併という形で、誰にも分かりやすく見えることになった、ということだった。

 いまや、この地域には阪神タイガーズと吉本興業しかなくなった、ということだ。器が小さくなった。

 近鉄とオリックスが合併して1球団になっても、それでいつまでもつか、とても安泰とはいえない。合併話が報道された直後、オリックスの本拠地・神戸のヤフー球場には、9000人しか観客が足を運ばなかった。冷たい数字だ。

 これでは選手も元気が出ないだろう。大阪ドーム、ヤフーBBスタジアムのどちらを本拠地にしたところで、経営的な面ではあまり変わらない気がする。「地方の時代」といわれるが、とてもそうとは思えない。ますます東京一極集中だ。

 セ・パ2リーグを維持するか、1リーグとして再出発するか、私はどちらでもかまわない。日本経済がこれだけ苦しんでいるのだから、プロ野球だけが50年前のシステムですんなり進むとは、とても思えない。腹をくくって、「1歩後退2歩前進」を考える時代かもしれない。

 今の事態をどうするか。とても現在のプロ野球球団経営者に任せるわけにはいかない。野球がとことん好きだ、という雰囲気を感じさせる球団経営者は殆どいない。経営の専門家だ、というのかもしれないが、根本は野球に対する深い愛情があるかどうかだ。経営の常識から1歩も出ない、保守的な専門家の“専門性”は、こういう危機的状況では役に立たない。ますます墓穴を深く掘るだけである。

 いっそこの際、「日本プロ野球改造法案」を、ファンから大々的に募集してみたらどうだろうか。プロ野球70年の節目に、ファンのチエを掘り起こすのだ。新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットで大募集する。プロ野球への提案には、荒唐無稽なものも出てくるだろうが、必ずピカリと光るメッセージもあるに違いない。入賞者10人には、生涯プロ野球観覧チケットを出す。それも親子チケットのかたちで。

 何よりも改造法案をみんなが考えることで、プロ野球への愛情をさらに深めさせることができるだろう。それが一番大きい効果かもしれない。狭い専門家のチエよりも、広大な素人のチエを活用する姿勢を、球界首脳たちに示してもらいたいものだ。

 私の考えでは、日本プロ野球が「1歩後退2歩前進」するためには、アジア―中国、台湾、韓国、オーストラリアなどとの野球交流の仕組みが考えられない限り、それは不可能だ、ということである。再生は日本一国でも、日米二国でもダメだろう。日本、アメリカ、アジアの三本の足で、野球の大地をしっかりふみしめることだろう。

 ピンチはチャンスだ。今こそ、球団経営専門家にかわる、新鮮なピンチヒッター出でよ、と期待する。

パ・リーグは、まず「リーグ維持」を考えるべきか
高田 実彦/スポーツジャーナリスト)

 近鉄とオリックスの合併。パ・リーグをどうするのか。聞こえてくるのはセ・リーグの有力オーナーの声やマスコミの1リーグ制移行の見通し論くらいで、肝心のパ・リーグ関係者の口も動きもぎこちない。問題は、パ・リーグの問題なのだ。何をしているのだ!

 そんな中で、ロッテだけが1つ提案をしている。いわく「韓国や台湾のチームを加えてやったらどうか」と。これだけが前向きな提案である。しかし、関係者もマスコミも誰も耳を傾けない。

 韓国や台湾の野球事情に近い立場にいるロッテがいうのだから、成算と企画案はあるのだろう。提案の内容を聞いてみたらどうなのか。

 シロウト考えでは、どちらかの国の1チームに1年間参加してもらって試合をする。1年間通して来られなければ、何チームかに順番に来てもらえればいい。ギャラは1試合ごとに入場売り上げのパーセンテージで払えばいいだろう。

 野球評論家数人とこの話について話したとき、ある人がいった。「韓国や台湾のチームでは人気が今ひとつだ。ここはアメリカからインディペンデント・チームに来てもらったらどうか」。いわゆる独立リーグで、来日できそうなチームがいくらでもあるという。実力は「日本で優勝する力はないがBクラスの上位にはいくだろう」とのことだ。

 さらに「いま来日している外国人で来年クビになる選手を集めて1チームつくる。2〜3000万円クラスばかりだろうから、外資系で金を出してくれるところを探せるだろう。パワーと無手勝流でやってもらったらおもしろいぞ」という案も出た。

 同席していた評論家連はいずれも、1リーグに簡単に移行する前にいろいろ考えてみて、「2リーグ制を維持する方向」を模索すべきだ、という意見だった。

 パ・リーグの小池会長は、「5球団でペナントレースができるかどうか」と、暗にパ・リーグは潰れるから残った球団はセ・リーグに救ってもらうしかないというような発言をしているが、そんな軟弱な態度だからピンチに陥るのだ。

 今回の事態でセ・リーグ側は、交流試合をやらねばならない、と覚悟しはじめているようだが、セ各球団の本音は「1リーグ制での交流戦には反対」だ。巨人戦が減ってしまって収入減になるからだ。

 この反論を抑えるのには試合数を大幅に増やすことだが、これには選手会労組が反対するだろう。しかし合併による選手救済に経営者の力を借りるのなら、選手の側が年間10試合か20試合増えることに応じるのが当たり前だろう。今は10月の1ヶ月は、試合らしい試合をしていないじゃないか。

 いずれにしろ今回の合併問題は、まずパ・リーグ自身がどうするか真剣に検討すべきである。それをしないで「セ・リーグさん頼みます」というのだったら、そんなリーグはなくてもいい。

2リーグ制でビジネス路線“正常化”を
杉山 茂/スポーツプロデューサー)

 たしかに5球団では、リーグ運営に不便が多いだろう。

 だからといって「1リーグ制」が、既定の路線かのように騒ぎ立てるのは、おかしすぎないか。

 何とか「2リーグ」を守りたい。人気の圧倒的な片寄りがあるのは、すでに半世紀近く嘆かれながら、それでも、セ・パ併立はプロ野球最善のシステムとして機能してきた。それは1リーグ制否定の貴重な球史でもある。

 プロ野球ファンの大多数は「パ・リーグ」を不必要な組織だと思ったことはいちども無いハズだ。

 ペナントレースの展開に寄せる関心は、両リーグ同じようなレベルにあった。

 一方のリーグの順位争いが味気なくなれば一方のリーグへ興味を動かせもした。

 チーム成績ばかりではない。リーディングバットマン、ホームランキング、数々のピッチャースタイトル……。総てに“2つ”のスリルを味わえる。

 それは、そのままプロ野球への高まりだった。

 今回の事態で、プロ野球関係者の間に、どれだけ「2リーグ制堅持」の熱意があるのか。

 セ・リーグ側に1リーグ慎重論が多いとされるが、これは、営業上の打算が働きすぎている。

 5球団の変則を工夫で乗り越えて、新球団の発足を待つ余裕は、もはやないのだろうか。新球団を招くあらゆる策と努力を、プロ野球界は示すべきではないのか。

 近鉄バッファローズとオリックス・ブルーウェーブの“合体”の最大因は、近鉄の赤字にあると報じられる。

 プロ野球団は額に差こそあれ、多くは赤字でシーズンを決算する。

 マイナスをつづけても“不良物件”にさらされないのは、親会社の広告宣伝費とすれば安いもの、とか、親会社の本来業務にはプラスにはね返っている、だのと解説されてきたものだ。

 なんのことはない、球団はプロを名乗りながら、運営を手がけるだけで、経営に力を注がないで済んだのである。

 この風潮が改められなければ、1リーグ制に戻ったところで、頼りない球団が姿を消すわけではない。

 ペナントレースの市場化推進、見せるスポーツの王者としてのサービス強化、全球団全選手のプロ意識高揚―各球団が取り巻く全角度を再検討し、独立採算がはじけるビジネスに立ち向かわなければ、いずれまた、今回と同様の騒ぎは起きるだろう。次の買い手がすぐに現われるようなマーケットでなければ「プロ」とは言えない。

 「2リーグ」も、「12球団」も多すぎたわけではない。「プロ野球」のあり方が、どこかずれていたために生じた事件なのだ―。

 


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