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vol.222(2004年10月20日発行)

【杉山 茂】迷いつづける男子バスケットボールのプロ化  
【岡崎満義】デジタル派新人類の登場

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迷いつづける男子バスケットボールのプロ化
杉山 茂/スポーツプロデューサー)

 日本バスケットボール協会と日本バスケットボールリーグ機構(JBL)が、驚いたことに、男子バスケットボールの「プロ化」を検討する委員会を“発足”させることになった。

 なんと廻りくどい話だろう。日本バスケットボール界は9年前、Jリーグに刺激され「プロ化」へ向かって積極的な姿勢を打ち出し、すでに今ごろはプロ・リーグが活動しているハズであった。

 当時、日本協会内に「活性化」と「プロ化」を探る2つの委員会があり、両者ともに力強くプロへの道を歩む“結論”に達していた。

 それまでの日本リーグを、JBLが運営し、01年には「スーパーリーグ」と、その名を変えたのは、プロを目標にして順調な行動であった。

 それが、改めて検討委員会とは、この経過を身近にのぞいてきた私には、驚き以外の何ものでもない。

 きっかけは、今夏8月、「スーパーリーグ」所属の新潟アルビレックスと、2部リーグのさいたまブロンコスがしびれを切らし「今シーズンを最後にリーグを脱退、来年秋からプロリーグを設立する」と発表したことにある。

 JBLは、脱退を認めずとし、日本協会も同調するのではと思われたが、10月12日になって両者ともに「プロ化」を検討するための委員会を設けるという手で、出てきた。

 新潟とさいたまを思いとどまらせるためなのか、プロ化へ今度こそ本格的に向かおうとするのか、その狙いは見えない。

 2クラブの関係者は、その動きと“併行”して、計画どおりプロ・リーグの準備を進めると話す。

 彼らにしてみれば、検討をしつくし、提案をしつくしてきた、という思いがある。今さらの“検討”であり、しかも、プロ化が約束されているわけではない。

 企業チームが次々と姿を消し「スーパーリーグ」の前途は、地域をバックとしたクラブを主体としなければ、確固たる基盤を築けない。クラブの経営・運営には、それなりの試合数が必要だ。現行の「スーパーリーグ」ではそれを望めない。

 日本協会とJBLが、現存の企業系チームを説得できるかどうか。

 バスケットボール界は、以外に保守的な姿勢が強い。

 新しい風を受け、新しい波に乗り、新しい時代の扉を開こうとしなければ、2006年日本での世界選手権も、北京オリンピックも“成功”を手離す危うさが潜(ひそ)む。

 迷いつづける余裕はないのではないかー。

※ 関連記事:vol214(8月25日号)

デジタル派新人類の登場
岡崎 満義/ジャーナリスト)

 おそろしく威勢のいい新刊書を2冊読んだ。

 「プロ野球買います! ボクが500億円稼げたワケ」と「稼ぐが勝ち ゼロから100億、ボクのやり方」(光文社刊)。2冊とも著者は、今話題の人、プロ野球を震撼させるライブドア社長・堀江貴文さんだ。

 ひと言で言えば、デジタル派の若い旗手が、旧世代アナログ派に殴りこみをかけたような本だ。とくにアナログ派の真ん中に、とぐろを巻いている老害経営者を叩きつぶそうという、鼻息の荒さだ。怖いもの知らず、老害守旧派清掃屋、といったおもむきである。

 「稼ぐが勝ち」は堀江さんの経営哲学のラフスケッチのような本で、見出しもなかなか過激な言葉がおどっている。

・ 「貯金をしなさい」は間違っている
・ 会社とは人を使うための道具です
・ 大学は1ヶ月でやめる
・ 人の心はお金で買える
・ 部下をほめてはいけない
・ 自己中でいこう
 
 読みはじめて、これは途方もない荒れ球の剛速球投手かと思ったが、2冊読み通してみると、アナログ派の私にも、あまり異和感がなかった。挑発的な言葉づかいに慣れてくると、すんなり読める。まっとうな意見が多かった。

 アナログ派でも、成功して大金を稼いだ経営者なら、「人の心はお金で買える」ぐらいのことは、内心では考えているはずだ。ただ堀江さんのように、あっけらかんとそれを口に出さないだけのことだろう。

 「僕の理想は、『シンプルに』『こだわらず』『考えない』経営です。複雑に考えずに常に基本に返る」

 「(長嶋茂雄は)一見シンプルに見えるかもしれません。野球選手の評価やテクニックについてズバリと言い当てるからです。

 しかし、長嶋茂雄はシンプルの人ではなくて、フィーリングの人なのです。天才であることは間違いありませんが、あの人が思ったり感じたことは、最終的に他人には伝えられないと思うのです。だからみんな真似できない。長嶋茂雄になりたくても、本人以外には長嶋茂雄ではいられない。他人の直感とかフィーリングのユニークさというものは、理解はできても会得できないものです。しかし、僕のやっていることは誰でも真似できると思います」

 このあたりは、冷静な人間観察のできる人であることをあらわしている。武士は食わねど高楊子、の丁度真反対の、拝金主義をカラリとあるいはヌケヌケと言ってのけたところが、IT時代の新世代デジタル派たるゆえんかもしれない。

 プロ野球をインターネットに取り入れることによって、それは思いもよらない魅力的なコンテンツとなる。ITの活用でファンにキメ細かいサービスができ、インターネット中継で楽しさを100倍にできる。球団経営を黒字にすることは、いとも簡単、というのが堀江さんの主張である。

 「僕は5年以内にテレビを中心にしたマスメディアの大再編が起きると考えている。5局ある民放のうち1〜2局が合併吸収されてもおかしくない」という見通しを持つ堀江さんが、IT、インターネット大時代の野球を考えているのだが、それを読んでいると、プロ野球がケータイのなかに小さく納まる情報と化してしまいそうで、アナログ派の私には、今ひとつ魅力がない。

 2冊を読んでみて、堀江さんは猛烈な仕事人間であることがわかる。誰でも真似ようとして真似られるものではない。アナログ派顔負けの仕事人間であるわりに、汗の匂いがしないところが、デジタル派ということか。

 堀江さんは1972年生まれ、イチローが1973年生まれ。スポーツ以外の分野でも、そろそろ30前後のスゴイ人間が出ると思っている。イチローの深さには及ばないが、堀江さんもそのはしりだろう。

 


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